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インクルーシブなモノづくり

インクルーシブなモノづくり

丸井グループが考えるモノづくりは、一人ひとりの身体的特徴に合った商品をつくることです。身体的特徴を超えて、誰も排除することなく、すべての人のお役に立てるよう商品の開発・販売の仕組みを構築し、新たな需要の創造をめざしています。

開発の背景

「サイズ」というニーズに着目

日本人の成人女性の足サイズは、20.5~26.0cmといわれていますが、従来の業界標準のシューズサイズは22.5~24.5cmに設定され、そのカバー率は72%でした。そこで「ラクチンきれいシューズ」では、例えば体形が大きかったり、小さかったりといった身体的特徴で、履きたくても履けないという標準サイズ以外の方々にも対応し、従来の7サイズ展開から、19.5~27.0cmの16サイズ展開へとカバーサイズを拡大しました。これにより足サイズを100%カバーする、すべての人に喜んでいただける「ラクチンきれいシューズ」を実現しました。

ラクチンきれいシューズのカバー率を示すグラフ
このグラフは、丸井グループの『ラクチンきれいシューズ』のサイズカバー率を示しています。業界標準シューズが72%のカバー率であるのに対し、ラクチンきれいシューズは100%のカバー率を達成しています。

足サイズを100%カバーするサイズ展開へと進化

ラクチンきれいシューズの累計販売数の推移を示す棒グラフ
この棒グラフは、ラクチンきれいシューズの年度別累計販売額を示しています。2017年から2022年にかけて増加傾向にあり、2022年には377億円に達しています。累計販売数は627万足です。

ラクチンきれいシューズの累計売上高

お客さま参画型の商品開発

「ラクチンきれいシューズ」開発当初のエポスカード会員さまアンケートでは、9割の方が「靴の履き心地に不満がある」と答えており、お客さまが理想とする「おしゃれ」「履き心地」「値ごろ」のすべてを満たしたシューズは世の中にはありませんでした。それなら自分たちでつくっていこうと決意し、お客さまの足型を計測した分析結果をもとに木型の作成から着手し、履き心地に不満のあるお客さまとともに「モノづくり会議」をスタートしました。

お客さまと一緒に考え、一緒につくることをくり返し、お客さまから80点以上の合格点をクリアしたもののみを「ラクチンきれいシューズ」として販売しています。

お客さまのシューズに関する悩みのアンケート結果を示す図
この図は、お客さまがシューズを履かなくなった理由についてのアンケート結果を示しています。41%が『足に合わない・痛い』、30%が『女性が持っていても履いていないシューズ』と回答しています。
ラクチンきれいシューズの開発プロセスを示す図
この図は、ラクチンきれいシューズの開発プロセスを示しています。Step1からStep4まで、お客さまの企画会議、サンプルチェック、声のヒアリング、累計販売といった各ステップが円環状に表示されています。

体験ストアの実施

一人でも多くのお客さまに喜んでいただくことをめざし、マルイ・モディ以外の全国の商業施設でも「ラクチンきれいシューズ」の購入が可能となる短期イベント出店型の店舗「体験ストア」を2015年9月~2020年9月まで展開していました。

「体験ストア」とは、店頭に全サイズのサンプルを陳列し、お客さまが自由にお選びいただき、履き心地を気軽にお試しいただける取り組みです。

体験ストアの様子

インクルージョンと新たな需要の創造

「体験ストア」でご購入いただいたお客さまの多くが、新サイズ(19.5~22.0cm、25.0~27.0cm)をお買い求めいただいていることがわかりました。世の中には、小柄な男性や大柄な女性、LGBTQの方など、さまざまな身体的特徴の方々がいらっしゃいます。丸井グループが考えるモノづくりは、こうしたすべての人たちの生活を豊かにし、事業としても両立する道を切り開いていくことにあります。今後はさまざまな商品のサイズ拡大や使い心地改善に取り組み、すべての人に喜んでいただける商品をご提供することで、インクルージョンと新たな需要の創造を両立させていきます。

マルイ店舗と体験ストアの比較

新サイズ購入と40代以上のお客さま割合を比較した図
この図は、新サイズ購入と40代以上のお客さま割合を比較しています。マルイ店舗に比べ、体験ストアでは新サイズ購入者が47%、40代以上の顧客が65%と高い割合を占めています。

安心・安全な商品の提供

丸井グループでは、お客さまの信頼にお応えし、常に「安心・安全」な商品を提供するために独自の「丸井グループ品質基準」を策定、お取引先さまにもご協力いただいています。

お買上げいただいた商品を永くお使いいただくために、ホームページ内に「商品のお取扱い方法」をご案内するコンテンツを加え、素材の特性やお手入れ方法など、お客さまが必要な時にご覧いただけるようにしています。

また、食品売場「食遊館」においても同様に、「細菌検査基準」「計量管理規程」に基づいて、品質の管理を徹底しています。

品質検査の様子

専門の担当者が品質を検査

取り扱い方法を示したWebサイト

素材ごとに取扱いを説明

お取引先さまとの責任ある調達

プライベートブランドの開発に対して、サプライチェーン全体での責任ある調達をお取引先さまとともに進めています。丸井グループ調達方針をもとに、お取引先さまへの説明の後、アンケートを実施し、サステナビリティ部の専任担当による現地ミーティングをおこない、確認結果をお取引先さまと共有しています。