
顔の見える安心感が「あと一歩」の背中を押す Partner's Interview UPDATER
丸井グループでは、さまざまな企業・人と力を合わせてインパクトを生み出す「共創」の取り組みを進めています。共創を加速させるために多様な部署から集まった社員で構成される「共創チーム」を組成し、現在は17チームが活動中。店舗でのイベント開催やエポスカードとのコラボ、物流での協業など、常にさまざまな取り組みが行われています。
「Partner's Interview」では、そんな丸井グループの共創の最新事例や、担当者による想いをご紹介!
第9回は、「みんな電力」を通じて再生可能エネルギーを販売し、電力の“顔の見える化”によって脱炭素社会の実現へ向けた取り組みを進める株式会社UPDATERとの共創についてお届けします。
<今回の対談パートナー>
大石 英司さん(中央)
株式会社UPDATER 代表取締役
村山 憲太(左)
新宿マルイ エポスカードセンター統括マネジャー、みんな電力共創チーム
木村 葵(右)
株式会社UPDATER(現在、丸井グループから出向中)
丸井グループでは「将来世代の未来を共に創る」というインパクト目標を掲げ、同じ志を持つ仲間と共に脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。株式会社UPDATERと丸井グループは2018年に資本業務提携を締結し、インパクト実現へ向けた再生可能エネルギーの利用促進に取り組んでいます。
今回は、みんな電力共創チームとして共に取り組みを進める皆さんに、オフラインならでの取り組みの可能性を中心にお話をうかがいました。
<共創の取り組みはこちら>
https://www.0101maruigroup.co.jp/about/impact/case/renewableenergy
———現在進めている共創の取り組みについて教えてください。
木村:共創のおもな取り組みとして、「みんな電力 エポスプラン」の普及拡大があります。「みんな電力 エポスプラン」は、エポスカード会員を対象とした電力サービスで、UPDATERが信頼できる電力生産者から直接買い付けた再生可能エネルギーを、お客さまのご自宅にお届けしています。
契約者さまには電気料金の支払い金額に応じてエポスポイントが通常の2~3倍付与され、貯まったポイントを電気料金に充当することも可能です。電気代の0.5%分は、日本国内の森林保全や育成を行う「みらいの森プロジェクト」(宮城県栗原市)の維持・管理に役立てられています。また、全国に1,000か所以上ある発電所から好きな発電所を選んで応援することができ、お客さまのご負担なく毎月100円の応援金をお届けすることができます。その応援金の返礼として発電所や地域にまつわる産品が送られてくることもあります。
このような、「みんな電力 エポスプラン」の普及拡大に向けて大きな推進力となっているのが、エポスカードセンターでのお客さま一人ひとりに寄り添ったご提案です。ご来店されたお客さまに対する再生可能エネルギー由来の電力への切替のご案内、申し込み手続きのサポートなどは、村山さんをはじめ全国のエポスカードセンターの皆さんが行っています。
———どのような想いで、この取り組みを進めてこられたのでしょうか?
村山さん:二社が進める共創は、まさに社会課題と利益をつなげる重要な取り組みであると考えていて、より多くのお客さまに知っていただきたいと思い取り組みを続けてきました。また、この取り組みは、お客さま、株主・投資家、そして社会にプラスであることと同時に働く社員にとってのプラスでもあります。
私が統括マネジャーとして働くエポスカードセンターの仕事は、入会申込をはじめ各種お手続きなど、いわゆるディフェンスの業務が多いです。 しかし、「みんな電力 エポスプラン」 のおすすめは、こちらからお客さまへ新たな提案をできる数少ない攻めの業務です。
エポスカード社員は小売出身者も多いため、社会やお客さまのお役に立つことをやりがいと感じる社員が、イキイキと「みんな電力 エポスプラン」のおすすめをしています。
お客さまのニーズに寄り添いながら、社会貢献につながる再生可能エネルギーの利用促進を行う。この取り組みが大きくなった要因はこの「社員のやりがい」も大きく関係していると思います。
こんなに気候変動について語れるスタッフが揃っている会社はそうない
———近年ネット広告をはじめオンラインでのPR活動が台頭する中、お客さまに直接対面でご案内をするメリットはどんなところに感じていますか?
大石さん:やはり一番のメリットは想いを直接伝えられる点です。お客さまの顔を見て、私たちの想いやメッセージを直接お伝えできることが最大の魅力です。また、カードセンターのスタッフの皆さまの中には、「みんな電力 エポスプラン」の加入者が多くいらっしゃるので、「私の場合、貯まったポイントはこう使っていますよ」「発電所の応援特典は米をもらっています」 とか、お客さまに合わせて具体的な活用方法やおすすめ情報を実体験として伝えることができます。これは、ネットではできないですよね。
村山さん:対面でのご案内の場合、一方的な情報の投げかけではなく、相手の知りたい情報にその場で答えることができます。
また、企業の社会的な役割だけでなく、社員一人ひとりが個人としても社会課題解決に取り組んでいると伝わるのが、丸井グループにとっても良い点だと考えています。
これまで会社全体で取り組んできたことを、社員の言葉でアウトプットできるフェーズになったということだと思います。
大石さん:カードセンターのスタッフの方が接客の中で説明してくださると、丸井グループという企業に対する安心感と、接客してくれる方の顔が見えることで「あなたがそう言うなら…」という安心感もあります。これは対面での体験でしか得られないものなので、すごいことだと思います。それに、こんなに気候変動について語れるスタッフの方々が揃っていることは、世界的に見ても珍しいですよ。丸井グループの皆さんは、そこがすごい。
木村さん:電力の切り替えをご案内する時に、価格訴求ではなく再エネの価値をしっかりお伝えしていただいているので、お客さまにきちんと理解していただいたうえで電力切り替えをしてもらえています。すばらしいですよね。
こういった接客のためにスタッフの皆さんは日ごろから気候変動についても学ばれてますし、ご自身の所属内だけではなく、他の事業所とも連携して取り組みを拡大させています。「みんな電力 エポスプラン」は2020年からスタートしたサービスですが、このような積み重ねがあって、今の盛り上がりにつながっていると感じています。
村山さん:丸井グループはこれまで10数年間にわたって、サステナビリティについてさまざまな取り組みを通してグループ社員の理解を深め、エネルギーや環境の問題に限らず、多様性推進やジェンダー平等など、さまざまな社会課題に取り組んできました。
自分と同世代の友だちと話すと、サステナビリティについて理解が浅い、もしくは知ってはいるけど、行動にまで移せていないといった人が多くいると感じます。
その点、丸井グループの社員は「なぜやるべきなのか」を理解しているから、行動に移せる。それをチームでめざしていけるというのは強みですね。
「あと一歩」の背中を押すのが私たちの役割
村山さん:多くの方は、再生可能エネルギーの利用について「きっかけがない」「手続きが面倒」など、何となく見過ごしてきただけだと思うんです。決して強い意志を持った「No」ではなく。そんなお客さまの背中を押すのが、私たちの役割だと思っています。
例えば、小さなお子さんがいらっしゃるお客さまであれば、「本当は外で遊ばせてあげたいけど、こんな気温じゃプールにだって入れないですよね。」こんな話題から、気候変動に対して関心をもっていただくきっかけになる。
この方はどんなことに困っているのか、どんなことに関心があるのか。一人ひとりに寄り添う気持ちを持って接客することで、お客さまが「あと一歩」を踏み出すきっかけに、私たちがなれるんじゃないかなと思います。
———今後二社でやってみたいことや、叶えたい未来はありますか?
木村さん:昨年度のみんな電力の個人加入数は、約8割が丸井グループ経由のお客さまでした。今後も、店頭でのご案内を中心に取り組みを加速しながら、エポス会員向けメールやアプリなどのデジタルツール、家賃保証サービスROOMiDなど丸井グループのさまざまなアセットを活用しながら、さらなる取り組みの拡大につなげたいと思います。
大石さん:丸井グループの青井社長との出会いに始まり、熱量の 伝播がきっかけとなって、丸井グループというコミュニティの中で広がり、それがさらにエポスカードを通じて約800万人のお客さまへと広がっていくと考えると、まだこれからいろんなことができると思っています。
エポスカード会員さまにどう伝播させていくか、可能性はまだまだあります。例えば、社会課題解決に興味、関心があるアーティストや企業さまが集まって、1~2万人規模で行うフェスを開催するなど、取り組みを可視化して伝えていくこともできます。
ほかにも、みんな電力エポスカードを持っているだけで特典が受けられるようになるなど、みんな電力 エポスカードが社会課題解決に取り組む原動力となるような、そんな展開につなげていきたいですね。
村山さん:サステナブルカードってかっこいいって、皆が思うような社会になったらいいですね。丸井グループがビジネスの軸として掲げている「一人ひとりの『好き』を応援する」という言葉は、みんな電力の取り組みにもつながると思うんですよね。「環境に良いことをしたい」「地球にやさしい選択をしたい」、これも推し活の一つとして考えると、みんな電力の「応援」という仕組みが、まさに推し活。
お客さま一人ひとりのそんな気持ちにお応えできるような、取り組みにしていきたいです。