リアル店舗の
あるべき姿とは。
生涯のテーマとして
考え続ける。
株式会社丸井グループ
不動産・建築部 企画・開発課
株式会社okos
TSUKURUBA事業部
2016年入社/経営学部経営学科
お客さまのライフスタイル全般をサポートする仕事がしたいと考え、丸井グループに入社。紳士服・レディスシューズの販売を経験後、営業企画部に異動し小売事業の中期経営戦略の立案を担当。戦略として掲げる「売らない店」を深く理解するために共創投資先であるFABRIC TOKYOに13ヶ月出向。現在は不動産・建築部とTSUKURUBA事業部を兼任。無趣味だったが友人に誘われたキャンプに夫婦でハマり、今では毎年4〜10月は毎月キャンプに出かけている。
丸井グループは全国にさまざまな不動産資産を保有しています。マルイ・モディの店舗は全国に22拠点(※)。さらに社員が利用する施設なども含め、グループ不動産の全体戦略や再開発・建て替え・用途変更などを企画し、経営層の承認を経て実行に移すことが私の部署のミッションです。私は主に、店舗の拠点戦略策定に携わり、ここ数年の丸井グループの事業構造の変化と、今後起こりうる中長期的な外部環境の変化を予測し、最適な拠点戦略を企画しています。丸井グループにとってリアル店舗は、お客さまとの大事な接点の1つですので、その価値をいかに高めるかを常に考えながら検討しています。
私たちは、リアル店舗の存在価値ひいては丸井グループの企業価値向上を常に考えています。「お客さまにとって必要なリアル店舗とは?」という問いは、単なる仕事の話ではなく、私個人がこれからも問い続けていきたい大切なテーマでもあると感じています。
※2023年3月時点
丸井グループは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」という経営理念を掲げています。私は新入社員時代に、この経営理念を体現する上司に出会いました。有楽町マルイで、紳士服のPBを扱うショップに配属されたときのことです。上司である店長は、常に“壁越え接客”を実行する方でした。真の意味で、お客さまのお役に立とうとするならば、自ブランドの商品だけで何とかしようとしてはならない。そういうスタンスで接客に臨んでいたので、お客さまのご要望を見極めた上で他社ブランドのショップにもお連れするのです。しかもお連れするだけではなく、他ブランドの商品のご案内まで自ら行い、お客さまはいつも満足して帰られていらっしゃいました。ブランドの垣根を取り払ってお客さまのお役に立とうとする。そんな姿を目の当たりにした私は、「これが経営理念を体現することなのだ」と学びました。私はその方が大好きで、今でもときどき会いに行っています。
当時を振り返ると、日本の百貨店やショッピングセンター業界全体に元気がなかったように思います。有楽町マルイに在籍中、私は組合が毎年開催していた海外派遣セミナーに手を挙げて参加し、アメリカの最先端のD2Cブランドを視察するチャンスを得ました。実際に現地を見て回ったところ、「リアル店舗」という場をもっと進化させる可能性はいくらでもある、そう強く感じたのです。同時に、どうすればもっと良くできるかを考える仕事に就きたいと思い立ち、小売事業の戦略を考える営業企画部への異動を希望しました。その後、希望が叶い異動したのですが、個人的にある戸惑いで悩むことになりました。私は、丸井グループが「売らない店」を掲げ始めた時期に異動し、小売の未来を考えること自体はとても楽しかったのですが、「売らない店」とは具体的にどういうものか、正直つかめていませんでした。社内の資料や言葉としてしか理解していない状態のままD2Cブランドを店舗に誘致していいのだろうか。そんな戸惑いが生じたのです。
ちょうどそのとき、オーダーメードスーツのD2Cブランドを手掛けるFABRIC TOKYOさまに出向するメンバーを募っていました。いっそD2Cブランドへ行ってみたらこの戸惑いが解消されるかもしれない。そう考えた私は手を挙げて出向に挑戦しました。約一年強、FABRIC TOKYOさまで店舗運営やマーケティング業務に携わったのです。想像していたよりもずっと多くのことを学べたという手応えがあります。まず、D2Cブランドの方々は何に重きを置いて店舗運営をしているか、肌で感じられました。また、FABRIC TOKYOさまのようなスタートアップ企業は、中途採用で入社した方がほとんどです。バックグラウンドが違う方同士による仕事の進め方、圧倒的なスピード感など、カルチャーそのものが丸井グループとは異なります。思いきって出向したおかげで視野が広がり、自分が丸井グループで働いていくうえで向き合うべきテーマを再確認することができました。この経験は私のキャリアにおいて重要な意味を与えてくれました。
私が丸井グループのなかで向き合うテーマとは、「リアル店舗はどうあるべきか」を生涯にわたって考え続け、その都度実行に移すということです。このテーマを自分のなかで掲げながらキャリアを築いていくと考えたとき、今までの経験はすべて役に立っているし、今の不動産企画・開発という仕事につながっていると感じています。入社した当初に出会った、店舗の上司からは、“壁越え接客”を通じて、本当の意味でお客さまのお役に立つこととは何かを学ばせてもらいました。FABRIC TOKYOさまへの出向では、社員同士がバックグラウンドの違いを超えて迅速に仕事を進め、自分たちの思いをリアル店舗で発信する姿を目の当たりにしました。そして今、私は丸井グループの不動産を通じてリアル店舗のあるべき姿を未来志向で追求するミッションを担っています。もちろん、数年で「リアル店舗はどうあるべきか」の答えを見出せるとは考えていません。それでも私は、これからの丸井グループでのキャリアをすべて投じてでも考え続けていくつもりです。
※所属およびインタビュー内容は2023年2月時点の内容です