2026.03.24
カラフルキャリア~私の原動力~#26 ユーザー視点で考え抜くスクラムマスター。キーワードは「君は、どうしたい?」
丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。
連載「カラフルキャリア~私の原動力~」では、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解いていきます。今回は「若手の活躍」をテーマに、マルイユナイト*で活躍する三木さんにお話をうかがいました。
*マルイユナイト:UX構築(体験設計、価値探索)やUI設計(フロント・API開発等)、デジタル領域の専門人材の採用を進める、丸井グループのグループ会社。

社会人2年目、スクラムマスターとして活躍中
―まずは、三木さんの現在のお仕事について教えてください。
株式会社マルイユナイト(以下、ユナイト)のUXデザイン担当として、エポスカードの新規顧客獲得に向けたランディングページの運用を行っています。ユナイトでは25年上半期から『Studio』というノーコードでWebサイトが作成できるツールを導入し、ページ制作の内製化を進めており、今はその導入範囲拡大・UX改善に取り組んでいます。
―入社半年で異動されていますが、販売職から突然デジタル領域の担当になり、戸惑いませんでしたか?
もちろん、戸惑いました(笑) ユナイトは私が丸井グループに入社したタイミングで生まれた会社なので事前情報もなく、「どんな環境なのだろう……?」と異動前日までドキドキしていました。異動後は、カタカナが飛び交う環境に、別の意味でドキドキしましたね。MARUI DIGI CUP*でノーコードツールを用いた開発経験はありましたが、それ以上の知識はない状態。加えて、アジャイルで仕事を進める環境。知識・スピード感ともに、自分がついていけるか不安でした。
*MARUI DIGI CUP:丸井グループ社員がデジタルを駆使して業務改善や事業拡張の実現をめざし、企画力と技術力を競うコンテスト
―しかし現在は「スクラムマスター」として大活躍されているとうかがいました。「スクラム」とはそもそも何なのでしょうか?
アジャイル開発のフレームワークですね。辞書的にいえば、少人数のチームに分かれ、短期間の開発サイクルをくり返し行う手法です。配属直後の私のように、この手法は「スピード感」に目が行きがちです。しかし私は、スクラムの本質とは「絶対の正解がない中で、チームごとに進め方の“最適解”を見つけていくプロセス」だと考えています。
サイクルのスパンも、タイミングも、振り返る方法も、会話・連携を通じてチーム単位で最適なものにカスタムしていく。そのために、チームのスケジュールから「Aさんちょっとモヤモヤしてそうだな」のようなコンディションまで幅広く管理する、「おかん」のような存在……これがスクラムマスターです。
―今でこそスクラムマスターとしてユナイトで活躍されていますが、就職活動はどのような軸で行っていたのでしょうか。
初めは業界を絞らず、さまざまな企業の説明会に参加していたのですが、当時住んでいた関西と、興味のある企業が多い関東を行き来するチケットの購入に際し、人生初のクレジットカードをつくったんです。そうしたら、「現金と比べてこんなに楽なのか!」と驚いてしまって。「決済」が楽になるだけで、ここまで生活が便利になるのか、と感銘を受け、フィンテック業界を中心に就職活動を本格化しました。
―そこからなぜ丸井グループに?
業界を見る過程で、エポスカードをきっかけに丸井グループを知ったのですが、シンプルに「おもしろいな」と思ったんですよね。クレジットカードや決済サービス一筋の企業ももちろん魅力的でしたが、丸井グループには店舗をはじめとする「エポスカード以外のアセット」があります。「クレジットカード×○○」の○○に当てはまる候補がたくさんある環境に、成長の可能性を感じました。
現に、私が身を置くユナイトは「『好き』とデジタルの力で新しい体験を共創する」をミッションに掲げており、「クレジットカード×デジタル」の核を担っています。これから丸井グループがどのように変革・進化していくのか、社員ながら楽しみで仕方ありません。
「自分ならではの介在価値」をプロダクトに込める
―三木さんには、「思い出深い言葉」があるとうかがいました。
はい。「三木くんは、どうしたいの?」です。これは、ユナイトに異動して業務に慣れてきたころにリーダーからかけられた言葉で、私の仕事におけるキーワードになっています。
―なぜこの言葉が思い出深いのでしょうか。
この時の私は、エポスカードのコールセンター業務のDXを推進していました。この案件はユナイトだけでなく、コールセンターの現場スタッフ、エポスカードのコンプライアンス担当など関係者が多く、自分がいつの間にか「ただの調整役」になっていたんです。
各所から寄せられた意見を聞き、折衷案を考えて上司に伝えるだけ。「三木くんは、どうしたいの?」と問われて初めて、自分ならではの介在価値を生み出せていないことに気づいたんです。
―自分ならではの介在価値、ですか。
私たちがつくっているプロダクトは、お客さまに使っていただくものです。もしお客さまから「どうしてこの部分はこの仕様になっているの?」と問われた時、「社内事情を調整したからです」と言えるでしょうか。こちらの事情はお客さまに関係ありません。だからこそ、自分の言葉で「なぜこうなっているか」を説明できるよう、ユーザー体験を考え抜く責任がともなうと思うんです。
考え抜いた先には、必ず「ここはこうあるべき」という自分なりの着地点が見えてきます。この段階で生まれた意見こそ自分ならではの介在価値であり、その価値に自覚的になれると自信も生まれ、組織の中でも積極的に意見を言えるようになる…という好循環も生まれます。
―得られた気づきは、今の仕事にどう活きていますか?
冒頭でお伝えした通り、今私が担当している仕事は、エポスカードの新規顧客獲得に向けたランディングページの運用です。いわば「まだエポスカードを使っていない人」全員が、想定ターゲットになります。直接見えない、しかも幅広いお客さまのアクションを推定し、仮説を立てる。この工程には当然「ユーザー体験を考え抜くこと」が必要ですし、立てた仮説をもとに改良する段階には「自分ならではの介在価値」が求められます。…ということは、現業のすべてに、当時の学びが活きていますね。
あとは、組織に対しても介在価値を発揮したいと思っています。
―「組織に対して」…といいますと?
正確に言えば、「自分だからこそなれるポジションでの価値発揮」ですかね。私は、ユナイトでエポスカードの会員サイトとアプリの両チームに在籍した経験のある、数少ないメンバーです。ユナイトはこれからさらなる組織拡大も見込まれており、よりチーム同士の連携が求められます。その時、各チームの仕事を知っている私がコミュニケーションの潤滑油になれればいいなと。

同僚や他部署のメンバーともキャンプで交流
―最後に、今後やってみたいことや実現したいことを教えてください。
二つあります。
一つ目は、ユナイトで開発を進めている新たなプロダクト「N1」をリリースすることです。先ほども触れたMARUI DIGI CUPで受賞した案件の一つで、社内の各組織が独自に実施したリサーチデータを統合し、参照しやすくするプロダクトです。
長く社内でリサーチ業務に携わってきたメンバーの想いが乗っているプロダクトなので、1日でも早く、多くの社員に使ってもらいたいと思っています。また、ユナイトに配属された当初携わった「0から1を生み出す」案件で、十分なパフォーマンスを発揮できなかったという苦い思い出があります。成長を糧に、リベンジしたいですね。
二つ目は、「お客さまが当たり前に使うプロダクト」をつくること。私たちは生活のさまざまな場面で当たり前にアプリやネットサービスを使います。でも今生活に根付いているそれらも、リリースされた時にはすべて「新しいもの」です。
では、新しいものがどうして日常に溶け込むのか。それはきっと「お客さまが求めているものだったから」ではないでしょうか。お客さまは何を求めているのか、どんなものがあれば生活が便利になるのか。仮説を立てて、検証して、振り返って、また仮説を立てて……このトライアンドエラーに、きっと終わりはありません。でも、わくわくしちゃいます(笑)