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CEO

2018年8月

「共創サステナビリティ経営」を通じて
新たな価値を創造し、未来を切り開く
青井 浩 代表取締役社長 代表執行役員 CEO

2018年3月期の振り返り

利益・配当共に過去最高を更新

まず、2018年3月期の概況についてご報告します。当期は、私たちが現在取り組んでいる5カ年の中期経営計画の2年目にあたりますが、おかげさまで計画は順調に進捗し、EPSは93.2円(前期比16%増)、ROEは7.6%(同0.9ポイント増)と、いずれも計画を達成することができました。また、営業利益は352億円(同13%増)と9期連続の増益、年間配当金は38円(同5円増)と6期連続の増配となり、過去最高を更新しました。また、2018年3月期末の株価は2,168円で、前期末比143%となり、同期間の日経平均の113%を30ポイント上回ることができました。

このように、当期の業績はおかげさまで好調に推移し、企業価値についても高い評価をいただきました。とりわけ、企業価値評価に関しては、前期(2017年3月期)が当期に劣らぬ好業績であったにもかかわらず、期末の株価は前期末比94%とマイナスで、日経平均の113%に対しても19ポイント下回っていたことと比較すると、大きく改善することができました。それでは、なぜこのように大きく改善したのか、その要因を当期の振り返りを通じて分析してみます。要因は3つほど考えられます。

前例のないSC・定借化の実効性

1点目は、SC・定借化の進捗による小売セグメントの増益です。SC・定借化とは、百貨店型の店舗から不動産型の店舗への全面的な転換のことで、現在進めている中期経営計画の主要な施策の一つです。その目的は、長期的な消費者ニーズの潮流である「モノからコトへ」の変化に対応して、モノだけでなく、飲食やサービス、体験などを提供できる店舗に転換することでお客さまニーズにお応えするとともに、それまで停滞していた小売の利益を改善することです。

しかしながら、中期経営計画の初年度にあたる前期は、SC・定借化の急速な進展の副作用で、売場の入れ替えや改装にともなう未稼働面積(収益を生まない売場)が一時的に拡大したため、小売セグメントの利益は減益となりました。このことが、そもそも店舗の全面的なSC・定借化という前代未聞の戦略の成否について心配されていた株主・投資家の皆さまの不安を裏打ちしてしまう結果となったことは、想像に難くありません。私たちは、これはあくまでも一時的な事象であり、時間が経てば必ず良い結果につながり、利益も改善するとご説明しましたが、やはり、業界でも前例のないことだけに、結果が出るまでは判断できないという反応でした。

当期はSC・定借化のさらなる進捗と未稼働面積の減少によって、小売セグメントは予定通り増益に転じることができ、株主・投資家の皆さまにもようやく私たちの戦略の実効性をご評価いただけるようになりました。また、他社の百貨店が一部の店舗でSC・定借化による新店舗を開業して話題になったことなども、当社の戦略を認識していただくいい機会になったと思われます。

2期連続でROICがWACCを上回る

2点目は、超過利益を拡大することで企業価値を向上させることができたことです。当期のROIC(投下資本利益率)は小売の利益が改善したこともあり、3.2%と前期から0.1ポイント改善し、2期連続でROICがWACC(加重平均資本コスト)を上回りました。私たちは、中期経営計画の開始にあたり、株主・投資家の皆さまとの対話を受けて、5年後のめざすべきバランスシートをつくり、最適資本構成の目標を設定しました。

この計画をもとに財務・資本政策を実施したことで、前期はWACCの改善によって超過利益を実現し、当期はROICの改善によってさらに超過利益を拡大することができました。このように、株主・投資家の皆さまとの対話を重ねたおかげで、ようやく継続的に企業価値を高めていける企業体質ができ上がりつつあります。

ESGのフロントランナーをめざす

3点目はESGへの取り組みを高く評価していただいたことです。私たちは、世の中の動きに先駆けて、2008年から今でいう「働き方改革」に着手し、2013年からは女性活躍推進に取り組んできました。そして、2017年3月期には、取り組むべきESGのテーマを「インクルージョン(包摂)」と定め、国連の「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」と関連させることで4つの重点テーマに編成して本格的な取り組みを開始しました。

ESGのフロントランナーをめざす私たちの取り組みは、おかげさまで高い評価をいただき、当期はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の選定したESG投資の三つの指標すべてに採用されたことをはじめ、グローバルな格付け機関であるDJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)にも採用され、加えて、「なでしこ銘柄2018」や「健康経営銘柄2018」にも選定されました。おそらく、このような実績を受けてのことと思いますが、2018年5月の決算説明会の際、ある投資家さまから「丸井グループは小売でもフィンテックでもなくESGの会社だ」というコメントをいただきました。このコメントは私たちにとってうれしいおほめの言葉であるだけでなく、これから私たちが進むべき方向性を示しているようにも思います。

このように、当期は戦略、財務、プレ財務(いまだ財務情報に顕在化していないが、財務情報と同様に重要な情報)のすべての取り組みが互いに関連しながら一体となって進み、そのことが企業価値として高くご評価いただいた1年となりました。ステークホルダーの皆さまのご支援に、改めて心より感謝申し上げます。

10年後に向けた「未来の店舗」

SC・定借化の本当の目的

次に、今後の企業価値創造についてご説明させていただきます。まず、SC・定借化完了後の店舗について。5年計画で進めてきたSC・定借化はおかげさまで、2019年3月期で完了する見通しです。私たちはこれまで、SC・定借化を通じて小売の利益改善を進めると同時に、「モノからコトへ」という消費の長期的な変化に対応するため、アパレルの面積を縮小し、飲食とサービスの面積を拡大してきました。とりわけ、導入階をすべて飲食で展開するという、これまでの百貨店の常識を覆した博多マルイの成功事例を他の店舗にも導入したことで、全店ベースでの客数、取扱高も順調に改善してきました。

しかしながら、SC・定借化を通じた利益の改善やカテゴリーバランスの変更による店舗の活性化などは、あくまでもSC・定借化を進めるプロセスで実現される改善効果であって、SC・定借化そのものの本来の目的ではありません。SC・定借化の本当の目的は、これまでの店舗の概念を革新して、10年後に向けた「未来の店舗」をつくることです。百貨店型から不動産型の店舗に転換することで、ようやく「未来の店舗」の創造に向けた準備が整うのです。

脅威にさらされる店舗のあり方

では、私たちのめざすべき「未来の店舗」とはどのようなものか。それは、ひとことで言うと「売らない店」です。これまでは、店舗といえば何らかの商品かサービスを売るところでした。しかし、このような店舗のあり方は今後、中長期的に二つの理由で脅威にさらされると考えられます。

一つはEC化の進展、もう一つはあらゆる商品・サービスのコモディティ化です。今後、EC化がさらに進むことによって、あらゆる商品・サービスの売り買いはECに集約されていくことが想定されます。すでに米国では「アマゾン・ショック」によって、未曾有の規模でショッピング・モールが閉鎖され、専門店チェーンが倒産に追い込まれています。また、世界中で商品・サービスのコモディティ化が進展することで低価格化が進み、価格競争がリアル、ECを問わず激化した結果、価格のリーダーシップを発揮できるごく一部の大規模ビジネスを除いて、それ以外は軒並み駆逐されています。

こうして「店舗」は、中長期的には閉鎖を余儀なくされるか、際限のない価格競争に巻き込まれて恒常的な利益率の低下に甘んじるかの二者択一を迫られていくように思われます。

「売らない店」という選択

しかし、私たちはそこに第3の選択肢があると考えます。それが「売らない店」という「未来の店舗」です。私たちがめざす「未来の店舗」は、モノやサービスを売る代わりに体験やコミュニティという価値を提供します。これまで私たちは店舗で「接客・販売」に従事してきました。ですが、その際の接客は、結局のところ販売するためだけのものではなかったか。もし仮に、販売はECに任せてしまって、店舗は接客だけに特化したらどうなるか。

その答えを私たちは2017年、米国のいくつかの店で目の当たりにしました。それは「お客さまも店のスタッフも楽しくなる!」ということでした。私たちが訪れたのは、もともとECで成長したビジネスが顧客との接点を拡大するために設けたリアル店舗です。そこでは、お客さまは何も買わなくていいので、自由に商品を手に取ったり、試着したりしながら、着せ替えごっこのようにして楽しそうにはしゃいでいました。また、店のスタッフは何も売らなくていいので、のびのびと接客しながら、さまざまな商品を試していただいたり、友人のように相談に乗ったりしてお客さまに喜んでいただいていました。要するに、みんな幸せそうにしていたのです!

この光景を目にして、私は体に電流が走るようなショックを受け、目から鱗がはがれ落ちるのを感じました。「そうか、お店は売らないとこんなにも楽しく、幸せになれるのか…」。突然モノローグになってしまい恐縮ですが(笑)、これが「売らない店」です。この気づきを得て、それまで漠然とした予感のようなものにとどまっていた私たちのビジョンは、より明確な形をとり始めました。「モノからコトへ」のメガトレンドに対応する「未来の店舗」は、単に飲食やサービスのカテゴリーを増やした店舗ではなく、ネットと連携して体験やコミュニティを提供する店舗であり、それを実現するためには「モノやサービスを売る店」から「売らない店」へ180度転換することが必要なのです。

売らない結果としての売上

未来に向けた私たちの取り組みがスタートしました。前述した米国の店は、いわゆるオムニチャネル型といわれるものですが、このような店舗のテナント導入を開始しました。また、自社でも婦人靴のプライベートブランドの「体験ストア」を開発し、展開を始めました。さらに、2018年春には、新宿マルイ 本館にアップルストア「Apple 新宿」を導入しました。アップルストアは、世界中の誰もが知っている「体験型ストア」の象徴として、私たちが導入を熱望していた店舗です。アップルストアの隣には、アスレティックウェアなどを扱う「lululemon(ルルレモン)」に出店していただきました。ルルレモンもまた、責任者の方いわく「何をしてもオーケーだが、売ることだけは禁止」をポリシーとした、文字通り「売らない店」で、彼らはその代わりに店内でヨガのワークショップを開催したりしてお客さまと一緒にコミュニティづくりを行っています。もちろん、アップルストアでもルルレモンでも商品は売っていて、面積当たりの売上効率は世界でもトップクラスですが、あくまでも体験やコミュニティを提供することの結果としての売上であって、売ることを目的とした結果ではないということが、これまでの店とは決定的に異なる点です。

また、2018年6月には渋谷マルイにスタートアップ企業のBASE(株)との協業で「SHIBUYA BASE」をオープンしました。このショップは、ご自身のブランドを手がけるECのオーナーさま向けに、ファンであるお客さまとの交流や新しいお客さまとの出会いを目的として、気軽に活用できるリアルの場を提供する店舗で、新しい店舗のあり方として多くのオーナーさまから期待していただいています。

このようなテナントや自社のショップをさらに開発し、導入することで、私たちは「未来の店舗」を実現していきます。私たちが進めてきたSC・定借化は、この「未来の店舗」をつくるために必要な前提条件を整えることでした。そして、SC・定借化の後に、いよいよ未来に向けた価値創造が始まります。

  • 体験型ストアの象徴「Apple 新宿」(新宿マルイ 本館)
  • アスレティックウェアブランド「lululemon(ルルレモン)」(新宿マルイ 本館)
  • BASE(株)と協業したECサイトのリアルショップ「SHIBUYA BASE」(渋谷マルイ)

脅威を機会に変える力

QRコード決済が台風の目になる

フィンテックを取り巻く中長期的な環境変化として、キャッシュレス化の進展があります。当社のフィンテックの主力であるクレジットカードは、これまでもキャッシュレス化に貢献してきましたが、今後は、中国で爆発的な発展を遂げているQRコード決済が台風の目になると予想されます。QRコード決済の普及によって、クレジットカードがこれに取って代わられるのではないかという脅威が想定されますが、私たちはこのリスクは限定的であると考えます。それどころか、QRコード決済の普及は、クレジットカードにとって、むしろプラスになる可能性があります。

この脅威と機会を検証するために、今後のキャッシュレス化について概観してみます。まず、日本の決済市場は、銀行取引と住宅ローンを除くと約200兆円の規模ですが、大規模店舗、チェーン展開店舗での5,000円以上の高額決済を中心にクレジットカードが約60兆円、同じく交通機関やコンビニなどを中心とした5,000円以下の少額決済ではプリペイドカード・電子マネーが約10兆円と、それぞれが便利な決済手段として独自のドメインを確立しています。したがって、新たな決済手段としてのQRコード決済のターゲットは、中小規模のビジネスと5,000円以下の少額決済を中心とした約90兆円の市場になると思われます。

そして、今後はこれら三つの決済手段が棲み分ける形で、全体としてキャッシュレス化が進むと考えられます。この棲み分けという状況は、中国でも同様だといわれています。なぜかというと、QRコードは新たな決済手段になり得ると同時に、既存の決済手段の新たなインターフェースにもなり得るからです。つまり、スマートフォンに登録したクレジットカードと連結することで、QRコードを通じてクレジットカードで決済することも可能で、その場合クレジットカードは姿が見えないので、一見QRコードで決済しているように見えますが、実際には高額の支払いにはクレジットカードでの決済を選択する人が中国でも多いといわれています。

これは、すでに日本でも使われているApple Payなどでも同じです。iPhoneに交通系ICカードやクレジットカードを登録しておき、交通機関では交通系ICカード、その他の高額の支払いにはクレジットカードを選んで決済する人が大半ではないでしょうか。このように、今後はQRコード決済などのスマートフォン決済が普及することで、クレジットカードが支払いの場面に登場する機会が少なくなっていくことは間違いなさそうですが、目に見えなくなるだけでクレジットカードの利用はこれまで以上に増えていくことが見込まれます。

QRコード決済「EPOS Pay」の導入

私たちもこのチャンスを捉えるべく、エポスカードと紐づけた「EPOS Pay」というQRコード決済を2018年夏からスタートしました。マルイの店舗を中心に、近隣の商店街や飲食店と加盟店契約を結び、これまでエポスカードが使えなかった店での少額決済のご利用を促進します。あわせて、スマートフォンでのご利用を通じて収集されるデータを活用して、お客さまと加盟店双方にメリットのあるマーケティングを実施することで、お客さまの生活圏を中心とした地域経済圏を形成し、全国どこでも使えるQRコード決済のプラットフォーマーをめざす競合他社との差別化を図っていきます。

提携によるECとシェアリングの成長促進

さらに今後のクレジットカードの成長を促進する二つの中長期トレンドとして、EC化とシェアリング・エコノミーの進展があります。これまでもEC化はクレジットカードの成長を後押ししてきました。実際に、近年のエポスカードの成長に最も貢献してきたのはECでのご利用です。そこで、私たちは2018年5月からスタートしたGMOペイメントゲートウェイ(株)との提携を通じて、ECでのご利用をさらに拡大していきます。

また、もう一つの牽引役が、リカーリングといわれる定期的取引です。これまでは、電気、ガス、水道などの公共料金やスマートフォンの料金などが典型的なリカーリングでしたが、今後は(株)エイブルとの提携により、これまでクレジットカードで払えなかった家賃の支払いを可能にすることで、家計の中で最大の定期的支出である家賃のクレジットカード払いを進めていきます。

加えて、定期的取引は、今後シェアリング・エコノミーの進展にともない、サブスクリプション取引が普及することで、さらに拡大していくものと想定されます。当社ではすでにブランドバッグや高級腕時計、洋服などのシェアリング・ビジネス各社との協業を通じてクレジットカードでの定期的取引を進めていますが、今後はシェアリング・エコノミーの進展と共に、さらに取扱高は伸びていくものと考えます。

バランスシートを使わないビジネスの強化

クレジットカード・ビジネスは、このように、キャッシュレス化、EC化、シェアリング・エコノミーの進展という三つのメガトレンドを捉えることで、今後も安定的な成長が見込まれますが、一方で課題もあります。それは、カードビジネスの拡大にともなうバランスシート拡大のリスクと、負債の増加にともなう金利上昇のリスクです。

バランスシート拡大のリスクに対しては、2019年3月期から債権の流動化の比率を従来の12%から25%程度まで段階的に高めていくことで、調達手段の多様化による安定性の向上と最適資本構成を実現していきます。これにより、カードビジネスの債権が計画を上回って推移した場合でも、2021年3月期の総資産は1兆円を下回る水準に抑制し、自己資本比率は30%以上を維持します。あわせて、今後は家賃保証や証券事業などのいわゆるバランスシートを使わないビジネスを強化することで、資本効率の向上をめざします。

金利上昇のリスクについては、これまでも固定金利の割合を多めにし、調達の年限も短期、中期、長期のバランスをとりながら、返済も年度ごとに平準化されるように進めてきましたので、今後金利が上昇した場合でも影響を受ける割合は小さく、また借り換えごとにその影響が分散・長期化されるため、利益へのインパクトは最小限に抑えられる見通しです。

「共創サステナビリティ経営」による社会課題の解決

強みは「店舗・カード・Web」の三位一体

最後に、新たな事業による価値創造についてご説明します。SC・定借化完了の目途が立ち、カードビジネスが軌道に乗ってきたことを受けて、2019年3月期からは、新たな事業の開発に全力で取り組んでいます。今後、丸井グループの成長を牽引し、企業価値の向上に貢献する事業は、小売やフィンテックといった業種の枠にとらわれず、丸井グループの強みである「店舗・カード・Web」の三位一体を活かした事業になっていくと考えます。

私たちはこれまでもアニメ事業のように、小売・フィンテックの枠にとらわれない新規事業を開発し、育ててきました。おかげさまで、アニメ事業はスタートから2年間で取扱高約50億円、LTV(Life Time Value:生涯利益)ベースで約30億円の事業に成長しました。今後は、「店舗・カード・Web」の三位一体を活用して社会課題を解決する事業開発にフォーカスすることで、私たちの進化の次のステージである「共創サステナビリティ経営」へと歩みを進めていきます。

証券ビジネスに新風を吹き込む

その第一歩がファイナンシャル・インクルージョンです。丸井グループは創業時の月賦販売に始まり、1960年に日本初のクレジットカードを発行して以来、一貫して年齢や収入にかかわらず、若者を含むすべての人にクレジットを提供してきました。私たちは、こうした丸井グループのDNAを未来につなげていくために、クレジット以外でもすべての人に金融サービスを提供したいという強い想いを持っており、これをファイナンシャル・インクルージョンと呼んでミッションに掲げています。

その第一弾として、2019年3月期からついに証券事業に参入しました。これまで、ごく一部の富裕層向けに提供されてきた資産形成のサービスを、若者を含めたすべての人にご提供することをめざします。背景にあるのは、若者の将来への不安です。内閣府「国民生活に関する世論調査」(2017年6月)によると、6割近くの若者が将来のお金について不安を抱えており、貯金や節約に励んでいますが、投資については「よくわからない」「怖い」などの理由で資産形成はほとんど進んでいません。一方で、日本は先進国中、金融資産に占める現預金の割合が最も高く、その額は900兆円にも及ぶといわれています。そのため、金融資産の伸びが諸外国と比べて低く、金融庁は「貯蓄から資産形成へ」の流れを進めようとしています。若者の将来への不安を希望に変え、社会課題の解決をめざすのが、私たちの証券事業です。異業種からの参入という点を活かした柔軟な発想と、新規参入の利点を活かした斬新なビジネスモデルで、証券ビジネスに新風を吹き込む意気込みです。

具体的には、若者だからこそ長い時間をかけてこつこつ、ゆっくりつみたてることができる「つみたてNISA」対象の投資信託に特化して販売します。商品の選択にあたっては、志を同じくするパートナーの運用会社と厳選した、自信を持ってお勧めできる投資信託だけを扱います。また、私たちの強みである「店舗・カード・Web」の三位一体を活かして、日本で初めてクレジットカード(エポスカード)の1回払いでつみたて投資ができるサービスを開始します。あわせて、店舗でのサポートや金融教育を実施するとともに、小売ならではの感性を活かした新鮮なブランディング、マーケティングを行うことで、10年以内に100万人のお客さまと1兆円の預かり資産残高の獲得をめざしています。

新たな社会課題解決型の事業を通じ、未来を切り開く

証券事業を皮切りに、シェアリング・エコノミーや、飲食の新業態、テクノロジーを活用したパーソナライゼーションなど、さまざまな新規事業の開発に同時並行で取り組んでいきます。これらのほとんどは、社会課題の解決を当社独自のビジネスモデルで事業化することをめざしており、それを実現するためにスタートアップ企業との共創も加速していきます。新たな事業を通じて丸井グループの未来を切り開き、これまでの事業とあわせて新たな価値を創造していきます。

今後もすべてのステークホルダーの皆さまとの対話を通じて企業価値の共創を進めていきますので、変わらぬご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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