1. トップ
  2. 投資家情報
  3. トップメッセージ
  4. 社長メッセージ
  5. 2015年3月期

社長メッセージ

2015年8月

ビジネスモデルの革新により
新たな価値創造をめざします。
青井 浩 代表取締役社長 代表執行役員

ビジネスモデルの革新により
新たな価値創造をめざします。
青井 浩 代表取締役社長 代表執行役員

丸井グループの歴史と革新のDNA

1931年に私の祖父にあたる青井忠治によって丸井は創業されました。創業時は、家具を月賦という分割払いで販売する割賦販売をおこなっていました。現在の丸井グループの小売とカードが一体になったビジネスモデルの原形はこの時すでにつくられ、その独自性は長く受け継がれることになりました。創業者は、割賦販売の近代化を図ることで丸井を急成長させ、1960年には日本最初のクレジットカードを発行しました。

1972年に私の父である青井忠雄が経営を引き継ぎ、1981年には新たなビジネスとして、クレジットのノウハウを活用したキャッシング(小口消費者ローン)を開始しました。1980年代半ばには、若年層向けファッションとクレジットカードを組み合わせたユニークなビジネスモデルを確立し、丸井は急成長を遂げました。そして1990年には30期連続の増収増益を達成するなど、日本の小売業界において、確固たるポジションを築きました。

しかし、1990年代に入ると、日本経済のバブル崩壊と共に「ヤング×ファッション×クレジットカード」というビジネスモデルが環境変化に適応できなくなり、当社は長い停滞期を迎えました。2005年には、私が経営を引き継ぎましたが、私の使命は丸井の革新のDNAを活かし、時代に適応した新しい企業価値創造のビジネスモデルを再構築することでした。

企業価値創造へのチャレンジ

小売やカード事業の復活に向けた課題は多々ありましたが、経営を引き継いだ当時最初に取組んだのがクレジットカードの革新でした。これは2007年以降に貸金業法の改正が予定される中、キャッシング事業の先行きが不透明になっていたからです。そこで法改正がおこなわれる1年前の2006年に、それまで発行していた「赤いカード」と呼ばれるインハウスのクレジットカードに替えて、新たに「エポスカード」の発行を開始しました。

「エポスカード」はVISAと提携することで、お客さまがマルイの店舗だけではなく世界中のVISA加盟店でご利用いただけるようになりました。本業と連動するショッピングクレジットの取扱高を拡大することで、キャッシング事業の収益の落ち込みをカバーする戦略を立てたのです。

しかし、貸金業法改正の影響は予想を大きく上回るものでした。当社でも、金利引き下げによる利益消失や、旧金利時代の利息の顧客への返還が、実に2014年まで9年間続き、この損失は少なく見積もっても1,000億円から1,500億円程度にもなりました。この間、2度の赤字決算を余儀なくされるなど、厳しい事業環境に直面しました。

その一方で、ショッピングクレジットの取扱高は毎年着実に伸長し、またキャッシング事業も底打ちするなど、ここ数年はカード事業の躍進が、新たな企業価値創造に大きな役割を果たすまでに変貌を遂げました。時間はかかりましたが、これまで続けてきた革新が実を結び始めたと手応えを感じています。

新たな成長ステージに向けて

次に取組んだのが、小売事業の革新です。それまでは、ヤングやファッションに特化した戦略で「ヤングのマルイ」「ファッションのマルイ」といわれていました。そこから新たな戦略へのシフトを、有楽町に出店した2007年から段階的にスタートしました。

いうまでもなく、日本社会は少子高齢化時代に入り、若者マーケットは急速に縮小することが明白でしたので、早急に対応する必要がありました。そこで、若者をターゲットにしたファッション商品中心の店づくりを根本から見直し、幅広い年代のお客さまに支持されるよう、雑貨や飲食の売場を増やすなどライフスタイル型の店づくりを推進しました。しかしこの取組みは、お客さまには喜んでいただき客数も増えましたが、収益性が悪化するという想定外の結果になりました。

この難題解決に数年の時間を要しましたが、その答えは店づくりのフォーマットにありました。これまでの(株)丸井の店づくりは百貨店型で、消化仕入をベースとした収益構造でした。これをショッピングセンター(SC)型店舗に転換することで、店づくりをファッション中心からライフスタイル中心にしても利益の向上が実現できるとわかりました。ショッピングセンター型店舗に転換すると、商品売上は家賃収入に置き換わるため、見た目の売上高は減少しますが、利益は改善します。このビジネスモデル革新により、転換が可能な面積に対し約7割の転換が終了する2017年3月期以降、小売・店舗事業の営業利益は段階的に高まっていく見通しです。

ひとつのマルイグループ

当社グループは、歴史的に小売とカードが一体となったビジネスモデルで独自の企業価値を創造してきましたが、その強みにはさらに磨きがかかっています。セグメント別の収益面から見ると、カード事業が今日の業績を支え、今後も収益拡大のけん引役になることがわかると思います。しかしこれも、小売・店舗事業があってのもので、カード事業を単独で切り離した時にこれだけの強みを発揮できるわけではありません。

例えばエポスカード会員の8割はマルイ店舗での入会です。小売のノウハウを持つ社員が、お客さまがショッピングをされるタイミングでカード利用をおすすめするので入会率が高いのです。加えて店頭即時発行により、すぐにご利用いただけるので利用率も高まるなど、小売事業と一体化していることによる優位性が存分に発揮されています。提携カードにおいても、小売での経験を活かした人材が、提携先での施設価値向上の大きな力になっています。

一方、小売・店舗事業においては「エポスカード」があることで、お客さまにはクレジットによるショッピングを楽しんでいただくオプションをご提供することができ、売上拡大につながっています。このように、マルイのお客さまはエポスカードのお客さまでもあり、またマルイの小売ノウハウがカード事業の拡大を下支えするなど、グループの事業や人材が相互に重なり合うことで、他社にはない事業価値を生み出しています。

こうした、「ひとつのマルイグループ」ともいえる一体的な重なりは、これまで自然におこなわれてきましたが、今後はこの強みをさらに際立たせるために、意図的かつ戦略的に施策と重ね合わせていきたいと考えています。

共創経営をめざして

当社グループには、創業以来のクレジット事業で培ってきた基本精神として「信用はお客さまと共に創りあげるもの」という考え方があります。信用(クレジット)は、お客さまの年齢や職業に応じて私たちがお客さまに与えるものではなく、お客さまを信じることで一緒につくっていくというものですが、この考えをあらゆるステークホルダーの皆さまとの関係づくりにおいても大切にすることで、会社の発展と社会の発展とを両立できる経営を実践していきます。今、世の中は「モノの豊かさ」から「ココロの豊かさ」を求める時代に変化しています。これにより、生活者の関心は、「モノ」から「ライフスタイル」に移り変わり、「みんなと一緒」から「自分らしさ」を追求するようになりました。また、大量消費時代の終焉は、売り手市場から買い手市場への転換を促進し、顧客である生活者のニーズを考慮しない消費の押し付けは成り立たない時代になりました。

当社グループがめざす共創経営とは、言葉を変えれば「お客さまと共に」を徹底追求することです。店づくりにおいても、モノづくりにおいても、新たなサービスの提供においても、徹底的にお客さまのご要望をうかがい、共に創りあげる姿勢を貫くことが何より大切だと考えています。これにより、お客さまの「しあわせ」や「感動」を共有し、これまでにはなかった価値を当社グループの中に見出していただくことが、共創経営のめざすところです。こうしてお客さまと共有できる価値づくりをすすめることが、結果として企業価値向上につながるものと確信しています。

これからも当社グループの経営にご期待をお寄せいただくと共に、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

関連リンク

PAGETOP